Kindle インディーズマンガに発表して1年が経ったので収益や魅力をご報告します

一級建築士でマンガ家のヒヅメです。僕が一級建築士になるまでの道のりを描いたマンガ「一級建築士になりたい」をKindleインディーズマンガストアで配信しています。

「一級建築士になりたい」をKindle インディーズマンガに発表して1年が経ったので収益や魅力をご報告します!

Kindle インディーズマンガ とは

Kindle インディーズマンガ とは、アマゾンが提供するWEBマンガのプラットフォームで、誰もがオリジナルマンガをアマゾン上で出版することが出来ます。

電子書籍用のデータを別途作成する必要もないし、アマゾンに版権を握られることもないし、他のウェブサービスへの公開制限もありません。僕のような駆け出しマンガ家でも気軽にマンガ出版が出来るサービスです。

Kindle インディーズマンガのメリット

Kindle インディーズマンガで出版して、非常に多くのメリットを感じています。

アマゾンが誇る巨大ストアに出版できる

これが一番大きいです。多くの人にとって馴染みのあるサイトですし、読書サービス「Kindle」を使ってる人も多いですし、人にも「アマゾンに出してます」と自慢げに言えます。

気軽に出版できる

既出マンガでもOK他のウェブサービスで公開していてもOK出版にかかる経費はゼロ出版用のデータも必要ないとあって、まさにインディーズマンガ家に優しいサービスです。

分配金を収益として受け取れる

Kindle インディーズは全て無料公開されています。そのため印税が発生しません。その代わり作者に対して「分配金」という形で、アマゾンがプールしたお金(インディーズ無料マンガ基金)をダウンロード数や閲覧数に応じて毎月分配しています。もちろん受け取らないことも可能です。

僕が受け取ってきた実際の額は後ほど。

Kindle インディーズマンガのデメリット

使い方によってはデメリットもあります。デメリットが発生しないよう上手く活用するのが良いと思います。

無料で公開するしかない

自分で値段設定はできませんし、分配金も印税ほどもらえるわけではありません。そのため「対価を印税という形できちんともらいたい」「有料でもきっちり売れる」という人はKindle Direct PublishingやKindle unlimitedなど他の形で出版した方が良いです。

分配金はアマゾンの気分に頼るしかない

作者は、無料で公開する代わりに分配金という形で収益を受け取るのですが、この分配金の総額がいくらなのか、今後も続けていくのかはアマゾンの気分次第です。

駆け出しマンガ家が稼ぎ始めるのには便利なサービスですが、恒久的な収益源と考えたり、収益源をこれ1つに絞ったりするのはリスクがあります。

iphoneだとウェブページから購入するしかない

アマゾンにはストアアプリがありますが、大人の事情により、iphone版アプリでは本を買うことが出来ません。一度ウェブページに飛び、購入しなくてはいけないため、Androidに比べて少し面倒です。

意外とこのことを知らない人も多いため「君のマンガ、なぜか買えなかったよ」と言ってくる人がいますので、説明してあげましょう。

1年間の月別出版部数と売上

続いて1年間の出版部数と売り上げを月別に見ていこうと思います。「Kindle Direct Publishing」で書籍別に売上を管理できるので非常に便利です。僕は1冊しか出してないですけど。

部数は1年間で2万5000DL

ズボラな僕の性格がそのまま売上トレンドに出ています。最初の3か月間は4000部ペース、その後一旦落ち込みますが、4月に「Kindle インディーズマンガ大賞」にノミネートされたおかげで再度売上が伸びます。そしてその後は僕も積極的に宣伝しなくなったので部数も激しく落ち込みます。

分配金は1年間で約45万円

月別で最大が9万円、最低だと6千円ってとこですね。分配金の上限がいくらかは知りませんが、世の中には数十万という人もいるらしいので、数千円~数十万円という範囲でもらえるのかなと思っています。

分配金の分析

部数あたりの売上は平均18.21円

1部あたりの分配金を月別で上表の通り計算してみたんですが、DL数以外にも考慮しているらしく毎月異なる数字になっています。ちなみに1年間の平均値は1部あたり18.21円。

ページ単価ではKindle Unlimitedに完敗

「一級建築士になりたい」は全106ページなので、ページ単価は約0.17円。同0.5円とされているKindle Unlimitedには完敗。Kindle Direct Publishingでは印税率が70%もしくは30%なのでこちらも完敗。まあインディーズだし当然ですね。

Kindleインディーズマンガで出版して良かったこと

いろいろ言いましたけど、個人としては今回の出版に非常に満足していますので、3つほどその理由を挙げていきます。

書籍という形にすると読者が増える

「一級建築士になりたい」は3年ほどかけてSNSで細々と更新していたので、「もう読む人は全員読んでいるだろう」と思っていました。しかしいざ電子書籍を出版してみると、これまでより遥かに多くの人に読んでもらえました。

やはり書籍というパッケージにすることで「それなら読んでみよう」と思ってくれたり、目に留まりやすくなったりするようです。まさに名刺代わりですね。

ニッチなマーケットでも出版できる

一級建築士試験の受験者は毎年2万5千人程度。試験関係の書籍なら1万部売れれば大ベストセラーなわけです。しかもそんな試験の体験マンガとなるとマーケットの狭さはペットボトルのキャップ級。出版社にはリスクが大き過ぎます。

しかし個人出版となるとニッチさが強みになります。「今までになかった」からこそ多くの人に読んでもらえたのだと思います。

大きな賞レースにも参加できる

  • Kindleインディーズマンガ大賞という賞レースが毎年開催されていて、なんと大賞賞金200万円!!コロナ禍でなければ大々的な授賞式も予定していました。

「一級建築士になりたい」もノミネート10作品に選ばれたおかげで読者をさらに増やすことができました。

最後に:「小さな成功」を具現化できてよかった

商業誌にマンガを描いて大ヒットしてアニメ化して…というのが今でも「マンガ家」のイメージかと思います。特にこれからマンガ家を目指す小中学生はそういった一流マンガの世界しか知らないでしょう。

以前知り合いが、中学生の娘さんに「これお父さんの友達の作品なんだ。2万部も売れてるんだぞ」と僕の本を見せたらしいのです。娘さんはマンガを描くのが趣味なのですが、僕のマンガを読んで衝撃を受けたそうです。

「こんな(程度の)マンガで2万も売れるの!?」

「これなら今の私でも出版できるじゃん!!」

僕はこの話を聞いた時本当に感動したんですよね。こうやって草野球レベルのマンガでも多くの人に読んでもらえる機会が今はあるんだってことを中学生に知ってもらえて。

マンガ家なんて将来の夢じゃなくて、今すぐ叶えられるものになってるんですよね。一流を目指して大変な労力をかけてもいいし、他の仕事をしてる人が兼業でやっても趣味でやってもいいと思います。

多くのマンガ家さんが幼少期のラクガキからスタートしたように、小中学生がインディーズマンガからマンガ家人生をスタートさせたって面白そうじゃないですか。

話がだいぶズレちゃいましたけど、僕も彼らと同じ駆け出しマンガ家として、1つ「小さな成功」を具現化できたのは本当に良かったです。

ぜひアマゾンにはこのマーケットを大事に育ててもらいたいなあと感じています。

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